解説
能登野菜のひとつで、今から約350年前、地元の沢野婆谷(さわのばたん)神社の神職が京都からコボウの種を取り寄せ、植えたのが始まりとされ、加賀藩が徳川将軍家への献上品にしたとも伝えられます。在来種と同じゴボウですが、太さが通常のゴボウの3倍近い約3センチもあり、香りの良さも特徴です。七尾市東北部の山あいにある沢野地区は、太古の海底が隆起した粘土質で水はけが悪く、ゴボウにとっては本来厳しい環境と言えます。しかし、生産者の丁寧な育成管理により、ゴボウが環境に負けまいと太く生育します。このため、栽培は同地区以外ではできず、生産量も年間4トンほどと極めて少ないことから、希少性の高い伝統野菜となっています。2011年には地域団体商標の登録を受け、沢野ごぼうの復興と、粗悪品の流通防止にも力を入れています。