解説
能登野菜振興協議会が認定する能登伝統野菜のひとつで、ウリ科カボチャ属ペポ種に属する一年生の西洋カボチャの一変種。長さ20~30cmの長球状をしており、果皮が黄色く重量感のある物が良好です。19世紀末、中国の「覚糸瓜(かくしうり)」が日本に伝わり、現在、東北地方から中国地方までの広い範囲で栽培されています。能登にいつ伝わったかは定かでありませんが、浄土真宗の開祖・親鸞聖人(しんらんしょうにん)の命日に遺徳をしのんで営む仏事の後、食べる報恩講(ほうおんこう)料理の食材として古くから用いられています。輪切りにしてゆでると、果肉がほぐれて糸状になることから、その名が付いたと言われています。他県では、「素麺瓜(そうめんうり)」「糸南瓜(いとかぼちゃ)」とも呼びます。収穫時期は7月中旬~8月。糸状の繊維からシャキシャキとした食感が生まれ、水分を多く含んで利尿作用が高く、夏場の食欲増進と体調管理に役立ちます。