解説
石川県・富山県の冬の郷土食で、発酵食品のなれ寿司の一種です。塩漬けにした輪切りのカブに、薄切りのブリの塩漬けを挟み込み、細く切った人参や昆布などとともに米麹(こめこうじ)に10日ほど漬け込みます。江戸時代から贈答品や酒のさかなとして親しまれてきました。かぶら寿司の起源には、「漁師が豊漁と安全を祈って正月の儀式で食べた」「農家が正月にブリを食べるぜいたくをとがめられることを恐れ、カブで隠すようにして食べた」など諸説があります。また、穴水町曽良に伝わるかぶら寿しは、近海でとれたサバを挟むのが特徴でニンジン、タカの爪、ユズと一緒に並べて桶(おけ)で本漬けします。