解説
石崎町は七尾湾に面する漁業の盛んな町で、毎年8月の第1土曜日、地元の石崎八幡(はちまん)神社の祭です。奉燈は神輿(みこし)のともをする担ぎ棒のついた御神燈(ごしんとう)を指します。元々は京都祇園社の流れをくむ山車(だし)が祭りの主役でしたが、度重なる大火が原因で明治22(1889)年、奥能登から古い「キリコ」を移入して始めたと伝わります。町内を練る奉燈の数は、高さ12~15mの大奉燈が7基、小奉燈が7基で、約2トンになる大奉燈は1基につき約100人の担ぎ手を要します。夜には奉燈に灯りがともされ、やみに浮かび上がる武者絵や墨文字がひと際あざやか。「サッカサイ、サカサッサイ、イヤサカサー」の威勢のいい掛け声が町内に響き渡り、奉燈の乱舞競演が行われると、担ぎ手と観客の興奮は最高潮に達します。