解説
350年前の史料にもその名が見える伝統ある和紙で、地区の山林に自生するコウゾを原料とします。洋紙の普及に押され大正期に一度途絶えましたが、昭和63(1988)年、地元の小間生(おもう)小学校で地域学習の一環として復活し、児童らが紙すき体験を続けていました。同小学校が平成14(2002)年に閉校されることが決まり、地元有志らが技術伝承を目指して前年に「紙工房 みわ会」を結成し、校舎を引き継いだ小間生公民館を拠点に和紙づくりを続けています。久田和紙作りで、特に労力を要する工程は次の①~⑧です。①コウゾの原木を採集②原木を切り、約4時間蒸して樹皮をはぐ③黒い部分をそぎ取る④2~3日水に浸して水洗いをする⑤ソーダ灰を入れ、約4時間煮る⑥再び2~3日水に浸して水洗いをする⑦ゴミや傷などを取り除く⑧棒でたたき、繊維を細かくする-までを冬の間に行い、出来上がった紙料を保存して必要な時に紙すきをします。能登町では町内の全中学校で、3年生が久田和紙による卒業証書づくりを行います。