解説
現存する木造灯台としてはわが国最古のもので、日本海を見下ろす高台に明治9(1876)年に建てられ、昭和27(1952)年まで使用されました。かつて北前船(きたまえぶね)が寄港した時代の繁栄を伝える数少ない歴史資産であり、同40(1965)年に石川県指定史跡になっています。木造四角形の灯台の高さは5m、内部が3層となっています。灯台は慶長13(1608)年、福浦の日野家が港入り口の日和(ひより)山断崖で、篝火(かがりび)をたいたのが最初とされています。記録によると、元禄5(1692)年、11代日野長兵衛が石垣を築いて灯明堂を建て、明治43(1910)年、旧福浦村村営になるまで維持しました。長年にわたって潮風や雨に打たれ、外装の傷みが激しくなったため改修工事が行われ、平成21(2009)年に瓦葺(ぶ)きにお色直しして完成しました。