解説
穴水城は文治2(1186)年に能登国大屋荘(現在の輪島市や穴水町)の地頭(じとう)に任じられた鎌倉時代の武将、長谷部信連(のぶつら)によって築城されたと伝えられています。その後、信連の子孫で、能登の守護大名を務めた畠山家の重臣、長氏(ちょうし)の居城となり、初代加賀藩主前田利家の奥能登支配の拠点となりました。天正4(1576)年の上杉謙信軍と長連龍(ちょうつらたつ)による攻防戦の舞台としても知られ、長氏が田鶴浜へ本拠地を移動させたのに伴い、天正11(1583)年に廃城となりました。小又川河口の標高約60メートルの高台にあり、眼下に穴水港と市街地を望むことができます。規模は東西約550メートル、南北約450メートルで、現在は城趾公園として整備され、桜やアジサイの名所となっています。