解説
浄土真宗大谷派に属し、真宗寺院としては能登最古、最大とされます。創建年は不詳で、現在地に移ったのは天正14(1586)年と伝わります。藩政期には、加賀藩と配下寺院との取り次ぎを担う触頭(ふれがしら)として鳳至郡(ふげしぐん)106カ寺を統括し、前田家の領民統治に重要な役割を果たしました。寛政4(1792)年に再建された「本堂」、室町時代末期から江戸時代末期にかけての寺院文書である「阿岸本誓寺文書」(471点)が県有形文化財に指定されています。中でも、総茅葺(そうかやぶき)屋根の本堂は豪壮かつ優美で、日本三大茅葺のひとつに数えられます。また、県指定天然記念物のアギシコギクザクラがあることでも有名。170~200枚の花びらをつけ、つぼみのころ桜赤色だったものが、満開時にはほとんど純白になることから、「七変化の桜」とも呼ばれています。
・輪島市指定有形文化財「阿岸本誓寺 山門・鼓楼・鐘楼」(1971.9)、「親鸞聖人左上の御影」(1979.9)、「彩色聖徳太子立像」(1964.3)、「二條家五百姫入嫁調度品」(2000.5)、「梵鐘」(1979.9)、「根来塗り椀・盆」(1995.2)、「沙石集阿岸本」(1979.9)、「阿岸本誓寺 触留帳」(1979.9)、「絹本著色親鸞聖人絵伝」(1995.2)