解説
奈良・平安時代を中心とする古代祭祀遺跡で、古代の気多大社に深く関わる「神まつり」の様子がわかる重要遺跡です。気多大社は古代の文献史料によれば、奈良・平安時代から地方では破格の扱いを受けた重要神社として知られていますが、遺跡から約800m北西には、能登国一宮気多大社が鎮座しており、密接な関わりがうかがわれます。
遺跡で見つかった竪穴建物集落のなかから、銅鏡・銅鈴・帯金具・三彩小壺などの神まつりに使用する貴重品のほか、地方では出土例のない「ガラスるつぼ」も発見されています。これらは、古代の気多大社の活動を支えた「神戸(かんべ)」と言われる人々の活動を考古学的に示すものとして貴重です。寺家遺跡は、古代から続く気多大社の神まつりを解明するために、欠かせない重要遺跡です。