解説
毎年11月17日から21日までの5日間、能登部神社で行われる祭りで、子孫繁栄と収穫に感謝し豊作を祈ります。苗裔祭(びょうえいさい)とも呼ばれますが、これは大己貴命(おおなむちのみこと)の能登巡行の際、祭神の能登比古(ひこ)神が濁り酒と団子を献じたところ、大己貴命がこれを褒めて「わが苗裔(末孫)となさん」と言ったことに由来します。祭りは、男神である能登比古神が年に一度、西馬場入合の愛宕(あたご)神社の女神と逢瀬(おうせ)を交わすもので、町無形民俗文化財に指定されています。19日は女神を迎える奉迎(ほうげい)祭が行われ、氏子たちが能登部神社から愛宕神社までの約1kmの道のりを深夜、無言で歩き、愛宕神社拝殿で神事の後、再び無言で能登部神社へ帰ります。男神と女神は能登部神社で2晩をともに過ごし、21日に還御祭(かんぎょさい)が行われ、女神が愛宕神社に帰ります。奉迎祭では、直会(なおらい)で氏子たちに菜飯と一汁二菜、どぶろくが振る舞われることから、「どぶろく祭り」とも言われています。