解説
石川県は古くから良質な木炭生産地と知られ、原料のコナラやクヌギを伐採し下草刈りを行うなど、人の手が入ることによって里山が健全に維持されてきました。戦後の燃料革命で石油やガスの需要が高まり、県内の炭生産者も激減しましたが、珠洲市の大野製炭工場では現在も近くの山から原料を切り出し、職人の手による炭作りが続けられています。高品質なお茶炭に適した樹齢10年程度のクヌギを育てるため、同工場では平成15(2003)年からは耕作放棄地への植林活動を開始。平成20(2008)年からは、体験交流事業としてたくさんのボランティアが参加して植林活動を続けており、これまでに植えられたクヌギは4000本以上を数えます。能登町当目では、ベテラン職人がお茶炭を中心に今も窯で炭を焼き、耕作放棄地を開墾し、植林にも取り組んでいます。