解説
能登のほぼ全地区で、春は豊作を願い、秋は収穫に感謝して行われます。祭りでは、獅子舞などを先頭にして神輿(みこし)が集落内を回ります。獅子舞のルーツは古代のインドと言われ、中国、朝鮮半島を経て、7世紀の初めに日本に伝来したとされます。江戸時代初期、全国各地に獅子舞が急速に広がり、能登では独自の獅子舞のほか、集落によっては加賀獅子舞や隣接する富山県の越中獅子舞の影響を受けており、それぞれ異なる個性が興味をそそります。能登の獅子舞は、加賀に比べて獅子頭や蚊帳(かや)が小さいのが特徴。演舞では、神獣(しんじゅう)である獅子を棒やナギナタ、太刀などを使って退治する場面が多く、獅子に宿った災厄(さいやく)をはらい除くための舞いと考えられています。このほか、天狗(てんぐ)が細い竹や棒を持ち、お囃子(はやし)に合わせて獅子と一緒に舞い踊る「舞い獅子」も能登では見られます。