解説
小木港に近い御船(みふね)神社で毎年5月2、3日に行われる春祭りで、高さ約20メートルの大のぼりを立て、5色の吹流しを付けた9艘(そう)の船が、笛や太鼓に合わせて「ヨオーヨオー」とはやしながら海上を勇壮にパレードします。漁業の町・小木の住民が操業の安全と豊漁を祈るものです。3日の本祭りでは、朝からとも旗を起こした船が勢ぞろいし、各地区を回った神輿(みこし)を先頭の御座(ござ)船に乗せ、港内を一列になって巡航します。神輿は夕方に上陸し、宮入りして祭りが終わります。祭りのシンボルと言える巨大なとも旗は、明治中期、子供が紙の旗を作って小舟に立てたのが始まりとされ、現在も子供たちが美濃紙約500枚をつなぎ合わせ、金銀の紙を張り付けたり、彩色を施すなどしたりして仕上げます。能登の漁港ならではの特色ある祭礼で、石川県の無形民俗文化財に指定されています。