解説
羽咋市の気多大社(けたたいしゃ)の神事で、神前に放った鵜の動きから翌年の吉凶を占う奇祭です。鵜は、七尾市鵜浦(うのうら)町で一子相伝の技を受け継ぐ小西家が海岸で生け捕りにし、その年の当番である3人の鵜捕部(うとりべ)が気多大社までの約40キロを3日かけて徒歩で運びます。かごに入れられた鵜は「鵜様」と呼ばれ、道中、鵜捕部は「ウトリベー、ウトリベー」と連呼して通過を住民に知らせます。祭儀は12月16日午前3時から拝殿で行われ、神前に設けた木製の台に一対のろうそくだけがともる中、神職と鵜捕部が問答を交わした後、鵜が放たれます。鵜が台によどみなく上れば吉、なかなか進まないときは凶とされます。鵜は祭儀が終わると、神社近くの一ノ宮海岸で放されます。国指定重要無形民俗文化財に指定されています。