解説
能登では、国営農地開発事業で珠洲市唐笠町の八ヶ山や能登町の二子山に大規模な酪農団地が造成されました。八ヶ山酪農団地では、現在、5戸の畜産農家が牛舎を構え、150頭ほどの乳牛を飼育しており、ふん尿を堆肥(たいひ)化して牧草を育てる循環型の酪農を手がけるなど、化学肥料の使用を抑えることで、安全で安心な牛乳の生産に取り組んでいます。珠洲市で酪農が本格的に始まったのは、昭和29(1954)年から。昭和35(1960)年に珠洲市酪農組合が発足し、昭和45(1970)年には農協酪農部が結成されました。昭和47(1972)年に乳牛の多頭飼育と専業化による効率化を推し進める取り組みがスタートし、八ヶ山酪農団地の整備はその活動の中心事業として行われました。