解説
旧暦の8月朔日(さくじつ)に執り行われたことにちなんだ祭礼で、通称「くじり祭り」とも言われています。約1000年前から続くとされ、その由来には富来地区の増穂浦(ますほがうら)に漂着した八幡神社の男神と、それを助けた住吉神社の女神が関係しています。男神と女神はそれが縁でいったんは契(ちぎ)りを結んだものの、毎晩響く荒波の音に我慢できなくなった八幡の神が里に移り住んだそうです。以来、年に1度、男神と女神を引き合わせるために始まったのが冨木八朔祭礼で、1日目が「お旅祭り」、2日目が「本祭り」となっています。お旅祭りでは、大小20数基のキリコが各地区から八幡神社に集まって男神を迎え、約2キロ離れた住吉神社まで、鉦(かね)や太鼓をにぎやかに打ち鳴らしながら渡御します。翌日の昼過ぎから始まる本祭りでは、11基の神輿(みこし)が増穂浦で列を組み、浜辺を歩いて男神を八幡神社まで送り届けます。