解説
7月20、21日に催される春日神社(珠洲市飯田町)の祭礼で、見どころは高さ約16メートル、重さ約5.5トンに達する巨大な燈籠山(とろやま)です。燈籠山は、金箔を施した総漆塗りの豪華な祇園型の山車(やま)の上に枠障子や小台、大台を重ね、その上に七福神や武者などの高さ5〜6メートルの燈籠山人形を飾ります。1日目は燈籠山を含めた9基の山車が大通りを中心に曳かれ、2日目は山車が町内の小路も含めていたるところを回り、独特の木遣り歌(キャーラゲ)が深夜まで町中に響き渡ります。その歴史は、寛永年間(1624〜1643年)に春日神社の神々に夕涼みをしてもらったのが始まりとされ、別名「お涼み祭り」とも言われています。大正に入り、町内に電柱が整備されると巨大な燈籠山は祭りから一時、姿を消しましたが、昭和50年代に入ると復活の機運が高まり、同58(1983)年に1基を復元。幹線道路の架線の撤去も進み、平成23(2011)、24(2012)年に続けて2基が新たに作られました。また、山車をだれでも曳くことができるのも魅力で、飯田町燈籠山祭り保存会などではお祭り体験を企画しています。