解説
能登比咩(ひめ)神社で毎年4月の春祭りの際に演じられる神事舞のひとつ。柿色の着物の上に縹(はなだ)色の素襖(すおう)を身につけ、引立烏帽子(ひきたてえぼし)に白い鉢巻を巻いた少年が、夜中に終始無言のまま囃方(はやしかた)に合わせて1人で踊ります。年の始めに三方(さんぼう)を持ってお供えする姿や、右手を振って種まき、足踏みで田打ちを再現するなど、1年12カ月の農事にかかわる所作を演じており、五穀豊穣を祈る祝いの舞となっています。昭和59(1984)年に町無形民俗文化財に指定されました。また、春祭りでは三番叟のほか、青年による奉幣(ほうへい)行事、幼児による乙女神楽舞も披露しています。