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名称
茅葺き民家(カヤブキミンカ)
所在地
珠洲市、輪島市三井町、能登町
カテゴリ
自然・景観
分類
農村景観
解説
茅葺きの民家がたち並ぶ光景は、素朴な農村の暮らしを連想させてくれる、日本人の心のふるさととも言える原風景です。屋根を葺く時に使う草の総称が「茅」で、日本ではススキやヨシ、チガヤ、稲ワラが主に使われてきました。植物が枯れる季節に茅を刈り、春まで十分に乾燥させてから使用します。茅を育てて使うことは、山里や水辺の環境を美しく保つと同時に、役目を果たせば再び土に戻せるという、自然と共生した営みの一例とも言えます。そして、茅葺き作業は集落の住民が協力し合う「結(ゆい)」で行い、屋根の細かい部分や端、棟などは熟練した人が担当するなど、地域の絆づくりにもなっていました。戦後の経済成長で茅葺き屋根の家は激減しましたが、能登ではまだ昔ながらの懐かしい屋根を見ることができます。輪島市三井町では、茅葺き民家や土蔵、納屋が山すそに並ぶ里山の景観が残り、旧福島邸が農家民宿として活用されるほか、県道沿いに茅葺庵「三井の里」が整備され、移築した茅葺き民家が休憩所や地区の集会所となっています。中の見学もでき、古くすすけた簡素な骨組みから、構造の力強さや美しさを感じることができます。このほか、珠洲市の食事処「庄屋の館」、能登町の柳田植物公園内の休憩処「合鹿庵(ごうろくあん)」などでも茅葺き屋根を見ることができます。
備考
閲覧数
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