解説
輪島市の沖合48キロに位置する周囲5キロの小さな島で、2万年前までは本土と陸続きだったと考えられています。アワビやサザエ、ワカメ、テングサなどが豊富に採れる海女漁のメッカとして知られ、島内で見つかった弥生~奈良時代にかけての遺跡からは、魚介類や海洋ほ乳類の骨が出土しています。記録では、寛永11(1634)年に輪島の海士町から海女が島に入漁しており、明治34(1901)年には海士町に編入されています。古くは、6月から10月の漁期に海士町から漁民が島に渡り、漁期が終わると輪島の自宅に戻りました。しかし、昭和32(1957)年、島内に発電施設や漁港が整備されたことで定住化が進み、風物詩だった漁期の集団移住も現在は見られなくなっています。また、舳倉島は大陸と日本列島を往復する渡り鳥にとっては格好の休息地であるため、日本有数の野鳥の観測地としても知られています。