解説
アテは、ヒノキ科アスナロ属アスナロの変種である「ヒノキアスナロ」の北陸地方での呼び名で、石川県の県木です。中でも「元祖アテ」の2本は、いずれも樹齢が450年と推定され、高さは30メートル、幹周りはそれぞれ4メートルと3.6メートルあります。アテは、日本では能登半島以北から北海道南部の日本海側に分布し、強度と耐久性に優れ、湿気にも強いため、古くから建築材に用いられてきました。能登はアテの生育に適した気候風土を持ち、日本有数のアテの造林地として知られています。能登地方のアテの由来には、東北地方からの移入説があり、元祖アテは天正年間(1573~1592年)、東北地方から苗木を持参して植えたという伝承が残されています。