解説
七尾西湾は七尾湾口の西方に広がり、比較的水深が浅く、一年を通して波が穏やかな特徴があります。ここで本格的にカキ養殖が行われるようになったのは大正時代に入ってからで、種苗を付着させたホタテ貝の貝殻をロープに通したものをつり下げる「垂下養殖法」を採用しています。周辺は、湾に沿って養殖イカダや浮きが規則正しく並ぶ一方、小さな入り組んだ湾の海岸線に沿って黒瓦の民家が寄り添い、里海の美しい景観をつくり出しています。また、七尾西湾は陸域から河川を通じて海に供給される栄養塩と、光合成により増殖する植物プランクトンが豊富なため養殖に適し、カキの水揚げ量は日本海側一を誇っています。