解説
イサザはシロウオの別名で、体長5センチ前後のハゼ科の魚です。能登では「春告魚(はるつげうお)」とも呼ばれます。穴水町の小又川など能登の18河川では、産卵のため川を遡上してくる習性を利用したイサザ漁が、春の風物詩となっています。イサザ漁は、岸辺に設置した足場から「ほうちょう」と呼ぶ四つ手網を川に沈め、網の上を群れが通りかかった瞬間に素早く引き上げて捕まえる素朴な漁法です。生きたまま食べる「踊り食い」が珍重され、奥歯でかむとほんのりと甘く、とろりとした舌触りが楽しめます。漁期は3月1日から5月末まで。漁を行う際は県知事が発行する「敷網による採捕許可証」が必要です。