解説
能登を代表する特産野菜のひとつで、栽培品種は「えびす」です。現在、年間出荷量は約1500トンに上りますが、今から40数年前に珠洲市の生活改善グループが家庭菜園で育て、農家が自給用に作付けしたのが始まりです。地元農協が味と品質の高さから関西市場に出荷して評判を呼び、能登一円で栽培されるようになりました。カボチャの大産地である九州と北海道産の端境期(はざかいき)を狙い、7月~8月と10月~12月に出荷しています。冷涼な気候の中でじっくり育て、収穫後、風通しのよい場所に置いて追熟させた能登かぼちゃは、色鮮やかでホクホクと甘みが強く、関西では人気ブランドとして定着しています。食物繊維やビタミンを多く含むほか、果肉を黄色く色づかせる β-カロチンには皮膚や粘膜を強くする効果があり、「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」と言われています。