解説
サンショウウオ科サンショウウオ属に分類され、能登一円や富山県の一部でだけ確認されています。主に流れの少ない池や沼に生息し、体長は8~12センチほど。尾の長さが全長の半分近くあり、オスはメスよりやや大きく、前肢(あし)が4本指、後肢が5本指です。繁殖は年1回、1月下旬~4月上旬にかけてで、メスは1対の卵嚢(らんのう)を産みます。卵は約70個あり、ふ化まで30~60日、成体になるまで約3年かかります。夜行性で昼間は落ち葉や木の下に隠れています。節足動物やミミズなどが主なえさですが、えさの少ない場合は共食いをすることもあります。湧き水や水たまり、雑木林などで卵を産み付け、ふ化した後もあまり移動しません。昭和46(1971)年に羽咋市の小学校敷地内の側溝で初めて発見され、昭和59(1984)年に「ホクリクサンショウウオ(学名ヒノビウス・タケダイ)」と名付けられました。水質汚染などによって絶滅が危ぐされており、昭和63(1988)年に「ホクリクサンショウウオを守る会」が作られ、羽咋市寺家(じけ)町に保護のための増殖池が造成されるなど、希少種の維持に力が注がれています。平成21(2009)年には、発見地および生息地の一部が石川県の天然記念物に指定されました。