解説
冬水田んぼ(冬期湛水)とは農閑期(冬期から早春期)に水田に水を張る水稲農法である。 また冬期湛水水田は代掻きや耕起を省略した不耕起栽培とセットで行われることが多いです。
珠洲市正院町小路(こうじ)の通称「八丁(はっちょう)の田」では、シベリアから飛来するコハクチョウのために、10月下旬から3月中旬にかけて田んぼに水を張る「冬水田んぼ」を実践しています。この活動は、地元のボランティア団体「殿山会」が20年以上にわたって続けているもので、水は近くを流れる飯川(ままがわ)から引き入れています。殿山会では、住民の協力を受けて古米を蓄え、早朝に会員がえさとして田んぼにまいており、たくさんのコハクチョウがついばむ光景が冬の風物詩となっています。冬水田んぼの取り組みを開始して以来、コハクチョウの飛来数が増加し、現在ではシーズンを通して200羽以上が八丁の田に羽を休めに渡ってきます。