解説
大浜大豆は、能登半島先端の狼煙(のろし)地区で昔から栽培される地豆で、大粒で香りが強く、中央部の裂けた「へそ」が大きいのが特徴です。昭和30年代までは、水田の畦(あぜ)に植えられ、多くの農家が育てていましたが、集落で葉たばこの栽培が盛んになるにつれて姿を消し、平成に入ると「幻の豆」と言われるようになりました。平成14(2002)年に、地元有志が働きかけて、わずかに残っていた種豆をもとに再び栽培を開始。石川県農林総合研究センターと連携し、品種の選抜や生産拡大に取り組みました。一方で、大浜大豆を使った商品開発も進み、地元の道の駅「狼煙」で、大浜大豆と珠洲市の揚げ浜式製塩法でできた「にがり」を使った地豆腐を販売。甘みとコクの強さが人気を呼び、看板商品として地域振興に貢献しています。