解説
能登半島に、水田が開かれるようになったのは、弥生時代中期前半頃(紀元前1世紀)です。能登はわき水や肥沃な土地に恵まれているため生育条件もよく、高い品質と食味の良さでコシヒカリの産地として人気があります。世界農業遺産認定を契機にブランド化が進められ、奥能登エリアにある全ての農協が共同で「能登棚田米(のとたなだまい)」として、化学肥料や農薬などの使用を抑えた環境にやさしい栽培法で育てたコシヒカリを販売しています。付加価値を高めて生産農家の安定を図るとともに、売り上げの一部を棚田の保全活動に充て、能登地域での農業振興と里山環境の維持に役立てています。また、コシヒカリのほか、石川県独自の品種として、「ゆめみづほ」「能登ひかり」「ひゃくまん穀」などがあります。「ゆめみづほ」は食味はコシヒカリに近く、軟らかさとほど良い粘りが特徴で、時間がたっても硬くなりにくいことから、弁当やおにぎりなどに最適なお米です。「能登ひかり」は一粒が大きくてさっぱりとした食味が特徴であり、「粘り」「味」ともにコシヒカリにも引けをとりません。冷えてもおいしいことから、おにぎりなどによく使われ、米にこだわりを持つレストランや寿司店からも人気を集めています。「ひゃくまん穀」は、誕生までに9年をかけ、平成29(2017)年秋にデビューした石川県オリジナルのお米です。一粒ひと粒の粒感と粘りのバランスがとれ、冷めてももっちりとした食感と美味しさが保たれるお米です。