解説
アテ(档)は、能登ヒバという石川県の県木で、能登はアテの生育に適した気候風土を持ち、日本有数のアテの造林地として知られています。主に能登地方に分布し、独特の強い香りがあります。能登地方のアテの由来には、元々生えていたものが広まったという説が妥当であると考えられていますが、東北地方からの移入説があり、元祖アテは天正年間(1573~1592年)、東北地方から苗木を持参して植えたという伝承が残されています。ヒノキチオールという成分を含んでおり、耐久性が高く、水湿にも耐える古くから建築材のほか輪島塗の木地として利用されています。能登には多くのアテ林が存在していますが、特に穴水町河内は、うっそうと茂るアテ林が続き、その景観は訪れる人々を驚かせます。