解説
中能登町の南東部、小竹地区の通称・奥山と呼ばれる山中にあり、石潰山(いしつぶれやま)近くの「湯の谷」から流れ出る水を利用した用水です。その昔、小竹地区では水田の水を小竹川だけに頼り、慢性的な水不足に苦しんでいました。それを解消するため造成されたのが江黒用水で、18世紀初頭には完成していたと考えられています。用水路は全長約1.2㎞で、山を一つ越えて山中に隧道を通し、反対側の谷に至ります。隧道部分は底部に砂がたまったり、水流で削られたりしないよう、3.6mで15㎝下るという絶妙な傾斜で設計されており、
宝達金山の採掘で活躍した能登黒鍬組(のとくろくわぐみ)が力を発揮しました。