解説
社伝によれば、紀元前1世紀、崇神(すじん)天皇の時代に創建されたとされ、主神の天之冬衣命(あめのふゆきぬのみこと)と大国主命(おおくにぬしのみこと)ほか14柱を祭り、古くから鳳至郡の総社として仰がれてきました。平安時代の『延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)』には鳳至比古(ふげしひこ)神社あるいは辺津比咩(へつひめ)神社と記載され、後には重蔵(へくら)宮、十蔵権現、重倉(へくら)明神とも呼ばれました。また、永仁4 (1296) 年築と伝わった本殿は、明治43(1910)年の火災で内陣の朱塗りの扉を残して焼失し、現在のものに建て替えられています。この朱塗りの扉は、応永4年(1397年)に作られた現存する最古の輪島塗とされます。如月祭(きさらぎさい)のお当行事(とうぎょうじ)は、数え年48、49歳の氏子数十人が3月1日から7日にかけて古式にのっとった奉仕をする伝統行事で、県指定無形民俗文化財に指定されています。