解説
小麦粉と塩だけで作る素朴な煎餅で、ゴマや昆布、豆などを散らしたものもあります。起源は、かつて輪島で盛んに作られたソウメンにさかのぼります。中世、すでに輪島の名産として知られていたソウメンは、許可を得たものしか製造・販売できませんでした。天正15(1587)年、加賀藩・前田利家が許可制を廃止すると、ソウメンは輪島の産業として成長し、その製造工程でできる切れ端をまとめ、天日に干して焼いたものが塩せんべいの始まりとされています。その後、輪島のソウメンは原料の小麦を藩外に依存していたため衰退しますが、塩せんべいは庶民の菓子として長く親しまれてきました。