解説
大己貴命(おおなむちのみこと)(一説に石衝別命(いわつくわけのみこと))、菊理媛神(くくりひめのかみ)を祭る古社で、創建年代は不明。能登町柳田地区に古くから伝わる猿鬼(さるおに)伝説ゆかりの神社として知られています。猿鬼伝説とは、昔々、猿鬼と呼ばれる化け物が岩穴に住み着き、牛、馬を食い殺したり、人に危害を加えたりするため、能登一ノ宮気多(けた)明神が弓で猿鬼の目を射止めて退治したという言い伝えです。猿鬼の亡骸を洞穴に葬って、社を建てたのが岩井戸神社の始まりとされ、地元では「猿鬼の宮」と呼ばれています。猿鬼の目に矢を当てたことから名付けられた「当目」のほか、猿鬼の黒い血が川となって流れたので「黒川」、目を射られた猿鬼がオオバコで両目を洗ったことから「大箱」といったように、近隣には伝説に由来する地名が残っています。