解説
輪島市門前町で作られている絹織物で、能登の海で採れる海藻で下染めをし、草木染めを施した糸を用いて絵を描くように独自の手繍織(てすくいおり)で仕上げるのが特徴です。京都・西陣で草木染めを手がけていた上島洋山氏が昭和42(1967)年に能登を訪れた際、夕日の美しさに惚れて移り住み、里山里海の自然を生かして開発しました。植物染料を使ったやさしい色合いと繊細なデザイン、着心地のよさが評判で、上島氏が立ち上げた絲藝苑(しげいえん)では、普段着としてだけでなく、フォーマルな場でも着られる紬を制作しています。