解説
大豆の粉(きな粉)と水あめなどを混ぜ合わせた柔らかで素朴なあめです。七尾市では和菓子店はもちろん、各家庭でも手作りする名物のひとつになっています。鎌倉時代に能登国の地頭・長谷部信連(はせべ・のぶつら)が源頼朝、安土桃山時代には前田利家が豊臣秀吉に献上したとの記録があり、古くから能登を代表する銘菓として知られていたようです。また、常温のままでも日持ちし、栄養価も高いことから、江戸後期から明治にかけて北前船の船員たちの非常食としても重宝されていました。そのやさしい甘みにファンは多く、口に入れたときは香ばしく、食べ終わった後には、豆特有のコクのある甘さが漂います。たんぱく質が多く含まれ、消化にも良いことから、子供からお年寄りまで安心して食べられる一品です。