解説
アスナロは北陸ではアテと呼ばれ、石川県の県木に指定されています。県内のアテ林の面積は約1万2000ヘクタールで、約90%が能登に集中し、林業の主軸となっています。輪島市に次ぐ広さのアテ林を有する穴水町で、昭和40(1965)年頃から作られる「あすなろこけし」は、アテの枝を削り、ネギの種を目玉につけた素朴な手工芸品です。製材業を営んでいた夫婦が、利用されずに捨てられるアテの枝を使って作ったのが始まり。奥能登の土産物店で販売したところ好評だったことから、現在は「あすなろこけし工房」として活動し、こけしのほかアケビの編みかごなど、里山の恵みを使った製品を手作りしています。