解説
夏の和菓子として知られる水羊羹ですが、輪島では冬の味覚として親しまれています。冬に水羊羹を作るのは、能登でも輪島の旧市街だけで、気温の下がる11月中旬頃から春のお彼岸頃まで店頭に並びます。材料は通常の練り羊羹とほぼ変わりありませんが、練り羊羹に比べて水分を増やし、寒天を少なくするため食感が柔らかくて口どけの良いのが特徴。砂糖の量を抑えているため、甘さもさっぱりしています。輪島らしいのは、水羊羹を冷やして固める型に漆器を使っていることです。「折り」と呼ばれる長細い型は、地元で特別に作られたもので、水羊羹の表面が滑らかに仕上がります。